2024/01/15 09:42

日本でムスリムとして育てる

現在日本に居住するムスリムはおよそ20万人。日本で生まれ、日本で育つムスリムの子どもが増えています。今後、日本のムスリム社会の中心となるのは、このような世代のムスリムであるのは確実です。日本のムスリム社会の将来は彼らの成長にかかっています。

これまでモスクの建設や様々な活動では外国籍のムスリムが主要な役割を果たしてきましたが、今後の持続的な発展のためには、日本で生まれ、日本に定住するムスリムが中心となっていく必要があります。

今後の日本のムスリム社会の担い手であると考えられる数千人の次の世代のムスリムが直面する問題は、非常に多くあります。10代、20代のムスリムが直面する問題のほとんどは小学校、中学校、高校、その後の進学や就職に関わっています。かつては10代未満の子供が多く、問題といっても、学校の給食がハラールかどうかとか弁当を用意しなければといったことが注目されてきましたが、子供たちがより大きくなるにつれて、はるかに大きな問題が顕著になってきています。それは、子供たちがムスリムとしての自己を確立し、日本でムスリムとして生きていけるのか、ということです。多くのケースから、子供たちが、自分がムスリムであることを肯定し、イスラームを実践して生きていくことはそれほどうまくいっていないことが明らかになっています。

 日本社会の中でムスリムとして生きていくための自己を確立していくためには、広い意味での「教育」が鍵になると思われます。日本には、ムスリム諸国に伝統的にあるイスラームを学ぶ場や、近代的イスラーム学校といったものはありません。日本各地でモスク等を拠点にして、子供たちがイスラームを学ぶ活動が行われていますが、これまでもそうであったように、今後も当面はそういったモスク等での教育活動が中心にならざるをえないでしょう。そして、何よりも重要なのは、家庭での「教育」です。

 Hidaya Islamic Book Storeは、日本に住むムスリムの家庭で、子どもをムスリムとして育てていくみなさまのためのお店です。